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地元民・五十郎おすすめ 新潟春の山野草スポット① 弥彦山の雪割草ほか

 今年は暖冬で全然、雪が降らないぞー。と、うかうかしていたら、長岡市の国営越後丘陵公園で、早くも雪割草(オオミスミソウ)が咲いたとのニュース。いくらなんでも早すぎだ。異常すぎる。例年なら、見ごろは4月のはず。

 同園のブログでも、最も早い記録とのこと。野生の山野草も、今年は早まるのだろうか???

 それならと、新潟のおすすめ桜・花見スポットだけでなく、新潟の春の山野草スポットも紹介しておこう。 地元情報を届けることおよそ30年、新潟レジャーのことならかなり詳しい私、五十郎が一足早く春の山野草の人気スポットを紹介。現地に頻繁に足を運んで見てきた老練ならではの話を盛り込むので、新潟県でのおでかけを存分にお楽しみください。

 春の山野草は、訪れるタイミングによって出会う花が刻々と変化するのが、醍醐味のひとつ。撮影年月も記載するので、参考にどうぞ。

県内随一の人気の山・弥彦山

 弥彦山(弥彦村・長岡市)、坂戸山(南魚沼市)、ドンデン山(佐渡市)、米山(柏崎市)など、新潟県には低山登山がてら山野草が楽しめる山がいくつかあるが、中でも人気が高い山が弥彦山。実際に登っていると、多くの登山客とすれ違う山である。

 人気の理由は、ふもとに彌彦神社を擁することだろう。彌彦神社を中心に、門前には土産店や温泉宿があり、一帯は県内随一の観光地になっている。

彌彦神社の一の鳥居
彌彦神社の拝殿。

 明治末に火災で焼失した神社の拝殿は、大正5年に再建。設計は 東京の築地本願寺などが有名 な伊東忠太博士だ。狛犬が私のお気に入り。

 新潟県の統計資料では、自然目的での観光客入込数で新潟市に次ぐ2位(平成30年)が弥彦村となっている。初詣や観光シーズンに限らず、平日でも多くの参拝客が訪れる越後一宮・彌彦神社、さすがのパワーだ。

弥彦の無料駐車場の桜。奥に見えているのが弥彦山。

 古くから信仰を集める霊峰・弥彦山は標高643メートル、東京スカイツリーと同じ高さであり、低山登山を気軽に楽しめる高さ。参拝がてら登る人も多く、時折、デートの服装・靴のまま登山道を行くカップルに出会ったりするが、これは危険なのでやめようね。滑落するとケガをします。

 登山道はよく整備されており、ロープウエイもあるので、登り疲れたので下山は乗り物でという気軽な楽しみ方も可能。小さな子供連れでもチャレンジしやすい山だ。

 実は、幼稚園の年長さんだった我が子を登らせたことがあるが、整備された階段の一段の高さが足の短いうちの子供には高くて、登りづらい場所があった。小さな子には急登の場所も若干ある。

 反面、足腰を鍛えるにはちょうどよく、私はかつて市民マラソン大会に参加していたころ、ここを登って体づくりをしながら出場したりした。そんな、思い出がいっぱいの山である。

まずはココ、表参道ルート

 弥彦山の登山道は、彌彦神社拝殿の脇の参道から登る表参道ルートがポピュラーなルート。ファミリーやカップルなどと多数すれ違う道だ。

 山野草を目当てに県外から訪れる客も多く、そんな人たちと交流・雑談を楽しめたりもする。もちろん、花の種類も多くビギナーにおすすめ。

登り始めの登山道は杉林。

 人気が高いのは、やはり雪割草(オオミスミソウ)。「新潟県の草花」に指定されている花で、県内各所で見られるが、他の山野草も豊富に楽しめる点が弥彦山の大きな魅力である。

2014年4月4日撮影の雪割草。

 カタクリ、ショウジョウバカマも随所に。

2014年4月4日撮影のカタクリ。
2014年4月4日撮影のショウジョウバカマ。見た

私は見た。植物の生存戦略

ショウジョウバカマは、生存戦略がおもしろい。

 子孫を増やすために風に乗せた種子散布を行うと同時に、葉先からクローンを自ら生み出すという保険をかけて種の保存、我が子を増やす生存戦略を展開している。

 他の草花が脱落しやすい崖っぷちにへばりついているというのもポイント。なかなかの策士、根性だ。

 というネタを仕入れて探していたら見つけたショウジョウバカマの増殖シーン。草花には足も翼もないので、いやな奴や敵が近づいたとしても逃げることができない。移動の不自由を背負いながらいかに生き残るか、住処を確保するか、それぞれ工夫をこらして戦略を展開しているのだ。

下部に伸ばした葉先にご注目。
おぎゃーと産声が聞こえますなぁ。クローンの葉っぱです。

弥彦山のシンボルはこちら

 また、山野草好きのマニアさんはこちらもぜひお探しを。

2014年4月4日撮影 。分かるかなぁ?
この花です。

 コシノコバイモ。弥彦山記念バッジにもデザインされている花だ。

 いくつかのルートを登ってみて、私がこの花に出会ったのは今のところ表参道ルートだけ。日当たりが悪い湿った場所がお好みの居場所らしい。 慣れれば、簡単に見つけることができる。 なぜ下向きに花を咲かせるかはナゾ。虫に受粉をサポートしてもらうのに不利なはずだが、逆に、それでも寄ってくる虫を選ぶ戦略なのかも。

 余談ながら、NHKの不定期番組「植物に学ぶ生存戦略」が面白い。突然、放送されるのでチェックしづらいのだが、アーカイブされてるのかな?山田孝之が出演し、シュールな演出で植物の話を展開する、勉強になる番組だ。もっとやらないかなぁ。

お帰りはお土産店ストリートへ

 食堂や土産店、ロープウエイ駅がある開けた場所が弥彦山山頂だと勘違いする人も多いようだが、ここは9合目。山頂はさらに20分ほど登った場所、彌彦神社の主神である天香山命(あめのかごやまのみこと)と、姫神の熟穂屋姫命(うましほやひめのみこと ※妻戸大神)を祀る御神廟がある場所が頂上だ。

 登山に関する情報は、他サイトにもけっこうあるので割愛。

 さて、下山したなら門前の土産店でこんにゃくやおでんをほおばるのが定番。素朴な味わいで、腹にも心にも染みる弥彦の定番ソウルフードだ。

 店のおばちゃん、おじちゃん、おねえちゃんとの雑談もぜひ、楽しんでほしい。

 また、店によっては昭和レトロが極まったような土産品やオモチャを店頭在庫で抱えており、中には思わぬ掘り出し物もあるとか、ないとか。

 私は佐渡の竹細工の亀を格安で見つけて、思わず買った経験あり。縁起物だし、人生100年時代だし、おやじにはほどよい小物であると思って購入。自宅で大事に飾ってます。