ベテランレジャー凸凹グルメ散歩

地元民・五十郎おすすめ 新潟の温泉① 屈指の日帰り温泉パラダイス、長岡市

 今年は異常な暖冬で不気味である。と思っていたら寒い日が続き、あったかお風呂がチョー気持ちいい、ここ数日。あぁ、これこそ新潟の冬。おすすめの新潟温泉も記さんばね。もちろん、凸凹温泉記事として、あまたあるサイトとひと味違う目線を盛り込むので、そのスジの皆さんお楽しみを。

 凸凹温泉とは、地域の地形・風土・歴史が育んだご当地温泉(ご当地って、当たり前か)のことである。 新潟観光のスペシャリスト(自称)であり、新潟県の名湯、秘湯、穴場まで(多分)知り尽くした私、五十郎が提唱するレジャースタイルである。ぜひ、全国有数の温泉どころであるわれらが新潟を、多くの方にたっぷり知っていただき、存分に楽しんいただければと存じます、何卒宜しくお願いいたします。

今回は、こんな話。

そもそも新潟県がパラダイス

 では、今回は長岡市を紹介。地元・新潟県の皆さんも気づいていない、長岡市は日帰り温泉パラダイスである。フルーツやらなにやら、パラダイスだらけの新潟だが、ホントのことだからしょうがいない。天国いっぱい、魅力たっぷり過ぎて、的が絞り切れない点は新潟の観光の弱点でもあるのだが。

 もうちょっと言っておくと、よく「宣伝下手」と言われるわれらが新潟県、確かにのんびりしたお人よしの県民性はあるとは思う。が、うまく魅力が伝わらないのは、いろいろあり過ぎて、発信が常に広く浅くなってしまっているのではないか、と私は考える。

 だからこそ。このブログでは深掘り発信に努めたいと思っている私、五十郎なのであります。

 さて。長岡市に限らず、そもそも新潟県全体が温泉天国である。統計的には新潟県の温泉地数は全国で第3位環境省/ 平成29年度温泉利用状況 )という、パラダイスっぷり。若干、バブル経済期の竹下内閣「ふるさと創生1億円事業」の恩恵も、無きにしも非ずではあるけれど。

(新潟県糸魚川市のおすすめ温泉もこちらにアップしたので、どうぞ)

 「平野部なのに温泉天国?」と、最初ははてなの疑問符だらけだった五十郎。好物の地形・地質ネタを投入したいところだが、「はよ、温泉を教えよ」とのニーズの方が高そうなので、そちらを先に。

長岡は日帰り温泉パラダイス

 日帰入浴ができるいい温泉が多い、長岡市。なかでも個性派のおすすめを、いくつかピックアップする。

①豪快&盛大 寺宝温泉

 「源泉かけ流し」ではなく、「源泉かけ捨て」をうたう豪快さが素敵。つまり、湯量豊富で新鮮な温泉を楽しめるという、温泉好きならたまらない施設だ。

誇らしげなフレーズ〝源泉かけすて〟。

 さらにここ、ジェットバブル顔負けの、盛大な気泡も大きな魅力。

天然のバブルである。盛大である。

 温泉施設は、場所によっては循環ろ過しながら湯を利用している場合もある。「源泉かけ流し」は、そうした湯と区別するべくうたっているケースが多い、言わばセールス文句。しかも「かけ捨て」って、よほどの自信だ。豪快かけ捨て×盛大バブルという組み合わせの、レア2乗の温泉は全国でも珍しいのではないか。

玄関に鎮座するカエル君親子。

 レジャー施設的な売店・食堂や大広間などはないため入浴がシンプルにして最大の魅力になるが、稀有な湯にゆっくり浸かれるいい施設である。

寺宝温泉 長岡市寺宝町

②ポッカポカの 麻生の湯

 長岡の田園風景を眺めながら入る露天風呂がいい、日帰り入浴施設「麻生田観音堂温泉 麻生の湯」。国道からそれほど遠くない立地ながら、山里の雰囲気も楽しめる手軽な田舎感もポイントが高い。

向こうに見える建物が麻生の湯。バックの丘陵が地形的なポイント。

 市街地の明かりの影響が少なそうなので、天気のいい夜はきっとキレイな星空を眺めながら入浴できるはず(私は経験はないが…)。また方向的に、人気の長岡花火を温泉に浸かりながら見物することも可能と思われる。

 館内着やメニュー豊富な食堂、大広間など、設備も充実。普段使いから休日レジャーまで、幅広く楽しめるくつろぎスポットだ。

 湯は化石海水を含んでおり、塩分による保温効果があるしょっぱい系の温泉。プカプカたくさん浮かんでいる湯の花も、温泉マニアの心をくすぐるポイントだ。

※常に他の入浴者がいるため、風呂の写真は撮っていない。

 市街地から車で10分ほどなので、湯めぐりだけでなく町歩きもバッチリだ。

2017年入浴時に飾られていたカエルキャラの写真。今もいるのかな?

麻生田観音堂温泉 麻生の湯  長岡市麻生田町

③エモい、黒い温泉 三島谷温泉

 「三島谷温泉 永久荘」の湯は、全国の平野部でいくつか見られる黒い温泉である。比較的、珍しい黒い湯を、上記と合わせてコンパクトにめぐることができるのだ。これはいい。

 まず、ここを目指さないと普通の人は発見しないだろう隠れ家的立地、さりとて決して不便ではなく国道をそれてすぐのアクセス、大正・昭和のレトロなムードを色濃くまとった宿の風情。シブい。いまどきのJK風に言えば、エモい。

 脱衣場のガラス、体重計、衣類棚と、懐かしい雰囲気。狙ってこうなるものではない、ナチュラルなエモさがこれである。いいっしょ? どーすか?

 この湯、ボタニカル温泉である。黒い色は、植物由来。昔々、越後平野が海だったころの木々草花がいま、地層となり地下水に触れて地上にと運ばれ、このような色になっているらしい。温泉は、大地の恵みなんだなぁ。

男湯と女湯の間をつなぐドアがある。「おーい上がるぞ」と相方に合図をするためではなく、清掃時の利便性の確保だろうか。
駐車場出口にいたカエル君。長岡はカエル推し?

三島谷温泉 永久荘 長岡市大積三島谷町

たまには立ち寄りグルメ情報も

 立ち寄りの五十郎おすすめスポットは、みやじさま公園にある菊池茶屋。麻生の湯のすぐ近く。

 みやじさまとは、宮路神社という地元の神社。境内(多分)にある茶屋の名物グルメが、「茶屋にしん」。身欠きにしんを甘辛く煮付けたもので、甘党の連合艦隊司令長官・山本五十六の好物だったとか。おいしいものであふれている現代からすると、素朴すぎるような味だが、ごちゃごちゃ味を付けたりしないシンプルさが逆に味わい深いと感じる。

この盛り付けで出てくる。洗練されたスタイル。

 栃尾のあぶらげもおすすめ。油揚げの概念を覆す肉厚な油揚げである。オールドカメラも革製品も肉厚好きな私としては、見逃せない。ちなみに、栃尾では名物の肉厚油揚げを「あぶらげ」という。立ち寄りなら、毘沙門堂本舗がよい。他店と一線を画すぎっしり高密度、重量感たっぷりだ。お土産に買えるほか、店内での飲食も可能だ。

 また店主は、昭和の変身ヒーローが好きすぎてオリジナルのテレビドラマと映画を作ってしまった、突き抜け系の人物。テレビ「激レアさんを連れてきた。」にも出演した「炎の天狐 トチオンガーセブン」である。麻生の湯から車で10分ほどだ。

コレが推し 凸凹温泉さんぽ

 さあ、それではお待ちかねの地形・地質ネタを。まあ温泉なので、話は地質に直結して当たり前ではあるけれど。

続く…