その魅力に夢中になり、パンやらなにやらいろいろ作って楽しんでいる、元気いっぱい54歳の私、五十郎。
色白でスベスベ&プリプリの新潟ブランドにしてとても興味深い凸凹グルメ、やわ肌ねぎの話ある。
凸凹グルメとは、地域の地形・風土・歴史が育んだご当地グルメ・名産のことである。 新潟観光のスペシャリストである私、五十郎が提唱するレジャースタイルだ。(ぜひ、食どころ新潟を存分に楽しんでください。 詳しくはコチラ)
さて、専業農家のN沢くんからねぎ出荷の手伝いのお呼びがかかり、労働のほうびにやわ肌ねぎと大根をもらった。そこで今回は、やわ肌ねぎのことを記す。
トロトロにメロメロ、やわ肌ねぎ
甘くて辛い味わいの深さ、わずかにフルーティーな香りも漂う奥ゆかしさ、トロリとした触感。齢54にして私、五十郎をメロメロのとりこにしているやわ肌ねぎである。そもそも長ネギは、ただうまいだけではない高機能ベジタブル。
ガン予防、インフルエンザ予防、肥満解消などの効果が期待できるという、魅力だらけの健康野菜だ。 もしかしたら今猛威をふるっている、新型コロナウイルス感染症の予防にも有効かも? などと期待を寄せている、五十郎である。何にせよおいしいので、いっぱい食べとこー。
そんな愛しのやわ肌ねぎは、とても興味深い凸凹グルメ。本記事を読んだならぜひ、新潟のダイナミックな地形ドラマに思いを馳せながらヘルシーベジタブルを堪能しつくしてほしい。
ちなみに、新潟のご当地アイドルの Negicco(ねぎっこ) は、 もともとはやわ肌ねぎPRキャンペーンのために1か月限定で結成されたユニットである。とても息の長い、「新潟の顔」だ。末永く活躍してほしいですね。
畑はスリバチにあり
さて、N沢くんの畑に連れて行ってもらった。場所は新潟大学五十嵐キャンパスの裏手。おや、これは気になる地形。
この地形は、もしや…
お馴染みの国土地理院HP「地理院地図」で確認すると。
↓拡大する。
さらに拡大。
これはいわゆる、砂丘間低地というヤツか。N沢君の畑は、見事なスリバチ地形にあったのだ。東京スリバチ学会に報告せねば。
しかし、国土交通省と国土地理院のHP は面白いなぁ。土地の成り立ちが分かるので、防災に役立つだけでなく、住宅やアパートの物件選びにもかなり参考になる。引っ越し、土地購入などをお考えの方にもおすすめだ。
調子に乗って、「地理院地図」HP の 断面機能も使った。これは素晴らしい機能だ。激しいアップダウン。標高がマイナスの地もあり、泣ける。農家の皆さんのご苦労がしのばれる。
さらに調子に乗って、段階的な閉園が決まった、話題の東京の「としまえん」も見てみる。私、五十郎的にはハリー・ポッターのテーマパークではなく、東京都の防災公園としての再開発の方が気になる。水害や都市直下型地震など、今そこにある危機ということだろう。
としまえん付近に寄ってみると。
とまあ、地形と面積的に、災害時には避難者を集約しやすい場所であろうことが分かった。
暖冬だけど、できはどう?
さて、畑に到着。なんと、オオイヌノフグリが咲いている。早いなぁ、まだ2月中旬なのに。
オオイヌノフグリ、命名は植物学者の大スター、 牧野富太郎センセイだ 。名前は、「大犬の睾丸」という意味である。センセイ、ダイタンにしてザツ過ぎます…
寄り道しまくりのブログだが、まあいいか。誰に迷惑かけるわけじゃないしね。
N沢君の畑。もうピークは終わり。しかも暖冬と風のせいで、残っているネギはできがイマイチとか。専業農家・N沢君のテンションも低めである。
ネギの隣で作っている大根も、お土産にいただいた。N沢君、ありがとう。
作業小屋に戻った。ズラリ、出荷待ちのやわ肌ちゃんたち。
前回のピーク時のような、真っすぐに太く育ったネギは、今回はなし。やや曲がり気味の跳ねっかえり娘たちを、嫁に出してゆく。
私から見れば「どこに、娘の落ち度が?」と言いたくなるが、Aランクで出せないのでN沢君のテンションはここでも低め。確かに、グラマラスさには欠けるけどねぇ…。農家さん、大変である。
私に箱詰めのレクチャーをするN沢君。「手伝い」というより、気分転換の「話し相手」として、私にお呼びがかかったようだ。しばし、オヤジの人生『オヤ人生』論を交わしながら出荷準備。
出荷のために切り落とした葉先。ここは緑黄色野菜の部分。デロデロトロトロ出てくる甘ーいヌルは「フルクタン」。インフルエンザの予防を期待できるとか。捨てるの、もったいないなー。
なお、長ネギついてはNHKの『ガッテン』や『あさイチ』などで紹介されたほか、医学博士の平柳要氏の著書でもそのパワーや料理方法を紹介している。 興味のある方はご一読を。
砂丘地ゆえの、やわ肌ねぎ
信濃川が運んだ土砂が日本海に流れ込み、波と風で陸へと押し戻されてできた砂丘地。
新潟市のやわ肌ねぎは、そんな肥沃な大地で育ったネギだ。
やわ肌ねぎは砂を高く盛り上げて作るので、細く長く伸びながら育つ。色白のスッキリ美人が、特徴と言えそうだ。
ちなみに、群馬の下仁田ネギは礫を含んだ粘質土壌で作るのだとか(参考/下仁田町HP)。太くて短め、身がしまったしっかりタイプ。ネギでも産地の土壌で違いがあり、面白い。
やわ肌ねぎは、わが町新潟が誇る凸凹グルメである。
補足だが、新潟市の砂丘地では大根やスイカの栽培も盛んで、西蒲区には漬物工場がたくさんある。その話も、いづれまた。
さて、手伝いと気分転換のほうびにもらったネギと大根。悠久の大地の営みとN沢君の日々の努力の結晶、ありがたくいただきまーす。