ちょいと用事があり、京都市へ。
来週から大学4年生になる息子の就活のために、スーツ購入に同行したのだ。で、帰りについでに京都市でライ麦パンを作る店へ。
店は京都ならではの一方通行の路地にある。目立った看板も、店名の大々的な表示もないため、一回通り過ぎてしまった。
店に入ると、奥からおやじさんが現れて応対してくれた。桜が開花した花曇りの土曜日の15時頃。店にはほとんどパンは残っていなかった。ライ麦パンについて尋ねると、「そのパンが100%です。このところライム麦パンの注文が多かったんで、今日は多めに作ったら残ってしまって」。ラッキー。望みのパンを購入できた。ルイス レイパというパンで、ハーフサイズが残っていた。
フィンランドパンの看板を掲げているこの店。「ヨーロッパの中でも、ドイツだけでなく北の地域、北欧も小麦は育たないので、パンはライ麦です」。最近は好んで食べる人も増えているが、昔は黒いライ麦パンは、貧乏のイメージを持たれていたとか。
それが今では、ライ麦は長生き遺伝子・サーチュインの活性化に貢献すると言われ、私のような物好きが好んで探し求めているのだから、世の中何がどうなるか分からないものだ。
じゃがパンは、生地にじゃがいもを練り込んでいるパンで、なかにゴロゴロ入っているわけではないという。珍しいパン、一期一会と、つい買ってしまった。
どうもおやじさんが独りで営んでいる様子。跡を継ぐ人がいるのか尋ねたら、習いに来ている人がいるのだとか。既に「pieni leipomo(ピエニ レイポモ)」という自分の店で通販をやっているらしい。なんか、おしゃれなお弟子さんいる様子。気になる方はこちらをどうぞ。
支払い終わると「おおきに」とおやじさん。ごく当たり前の自然な京都の挨拶ながら、勝手に風情と旅気分を感じてなんだか嬉しくなった。
帰宅後、ハード計。いろいろと計測した。
じゃがパン384円。
長さ約34センチ、高さ約4.5センチ。重さ282グラム。じゃがいもを練り込んでいるので結構ずっしり、密度も高く気泡は小さいが、意外と弾力性あり。食べ応えあり。
ルイスレイパのハーフサイズ414円。
長さ約15センチ、高さ約4.3センチ、重さ296グラム。
ライ麦100%なので密度はかなり高く、縄文ビーナス312グラムを乗っけてもびくともしないハードぶり。クープのような洒落たデザインと対極にある、地割れのような無骨なルックス。そして、このサイズなのに先のじゃがパンを上回る重量。さすが、ライ麦100%。薄めにスライスして食べるが吉だ。