みちくさの日々

最長の蛇行剣に長蛇の列 富雄丸山古墳で出土した実物限定公開を見た

驚きの長さで国宝級だとされている、奈良の富雄丸山古墳で出土した通称「蛇行剣」。ニュースなどでも度々取り上げられていた話題の剣だ。奈良市のHPによると、

蛇行剣は全長237センチメートル・刃部長216センチメートル・刃部幅6センチメートル・茎長21センチメートルの長大な鉄剣で、刃部が6回屈曲して蛇行しています。これが副葬された4世紀以前の時期においては、世界的にも出土例のない長大な鉄剣です。この蛇行剣には、これまで例のない構造の把や鞘を装着していたことが判明いたしました。把を装着した際の蛇行剣全長は254センチメートル、それに鞘を装着した際の全長は285センチメートルにもなります。

https://www.city.nara.lg.jp/site/press-release/201144.html

3月30日から橿原考古学研究所附属博物館で限定公開されているので見に行った。混雑必至なので、平日を狙って。こちとら会社辞めてフリーだもんね、へへへ。

朝9時過ぎ、すでに100人近い先客がいたらしく、整理券95番をもらい、30分程待って特別展示室に入場できた。

ガラス越しだが、実物を目の前にできるのは、やはり貴重な機会。スケール感、迫力を体感できる。実戦用ではないのは明らかだが、ではどんな意図で、誰のために作られ埋葬されたのか。全然分かっていないのだけど、過去最長の剣として古墳も注目を集めているので、これからきっと諸説出てくるのだろう。被葬者はどうも女性のようなので、卑弥呼ではないか、とかね。

さて、鑑賞は入場制限の中のベルトコンベア式で、「ゆっくりお進みください」とずっと言われ続けるため、拝むことができたのは1分程度で、これは残念。実物のオーラを感じながらじっくり思いを馳せたかったのだが叶わなかった。全国から古代史ファンが押し寄せているのでやむなしだろうか。

常設展示もみられるので、もちろん観賞。埴輪の展示に力を入れているようで、復元展示している巨大埴輪は迫力あり。富雄丸山古墳に結びつける解説コーナーなんかがあれば、よりディープに楽しめたのだが。そうした企画がないのはちょっと勿体無いな。

関西に住む前からずっと行きたかった「飛鳥寺」にも足を運んだ。目当ては、日本最古の仏像。撮影可能、どんどんどうぞという、珍しい仏像は、落雷による出火で全てが失われた中、唯一残った創建時のものとか。

わずかに正面からそれている視線は、聖徳太子が生まれた地、橘寺の方を向いているとの俗説も。聖徳太子は、後世にもりもり盛られたであろう話がたくさんあり、インチキくささも含めてとても魅力的。「高座で居眠るする志ん生をオレは見た」みたいな、ホラ話かどうか分からない、スーパースターならではのまがまがしさがあって素敵だ。

帰りがてら、何年ぶりだろうか、以前に関西旅行の際に訪れた亀石を再訪。明日香には石舞台や酒船石など、多くの遺跡があり、以前は無料で見学や見物ができたのだが、いくつかは見学有料になっていた。亀石はまだタダで見放題だったので、気軽に観察ささていただいた。

若者たちが集う人気スポットと化した、亀石。
宮殿内の庭園か何かの残存物でしょうかね。
交差点の名前に採用。目印のない場所にあるので、見落とし防止に一役。