みちくさの日々日々のこと

『らんまん』面白かったけど、植物好きにはやや物足りなかった。

NHKの朝ドラ『らんまん』が終わった。植物好きの人間として、牧野富太郎のドラマへの期待は高かった。神木隆之介が主演だったので、なおのこと楽しみだった。

普段、ドラマは全く見ないのだが、「らんまん」は見続けた。ドラマ好きの人は『らんまん』に対してさまざまな良さを挙げるのだろうが、私の場合は「神木隆之介の魅力」、これに尽きる。山田孝之と神木隆之介は、いい俳優だなぁ、と思います。

あ、偶然だけど私が好きな俳優ふたりは、これで『NHK・植物つながり』になったわけだ。山田孝之がいい仕事をしていた『植物に学ぶ生存戦略 話す人・山田孝之』は、Eテレの番組。植物といえば、いとうせいこう原作、田口トモロヲ主演の『植物男子ベランダー』も面白かった。NHKには、きっとボタニカル番組を世に送り出す、植物班があるに違いない。神木、山田、トモロヲが揃い踏みする番組が、そのうち作られるんじゃなかろうか。

で、『らんまん』の物足りなかった部分とは。主人公の槙野万太郎(牧野富太郎)がなぜ植物にあれほど執着したのか、破天荒な偉人を産んだ核となるはずの、植物のそもそもの魅力、素晴らしさが描かれなかったこと。ここが弱いと、万太郎の人生に説得力が生まれない。核が弱いが故に、俳優の魅力が浮かび上がったという印象。熱量を感じるドラマだっただけに、これはとても残念な点。いとうせいこうさん、出演してたけど作劇にも参加してたら、別次元の面白さが織り込まれていただろうなぁ。

映画が好きで、初学生の時からたくさんの映画を観てきた。そして、多くのことを映画から教わり、発見し、学んできた。知らない世界に触れ、感動することができる、そうした魅力があるので今でも映画は大好き。『らんまん』も、植物の魅力に気づかなかった人たちが興味を持つ、そんなきっかけを広く与えくれたら、と期待したのです。

と考えてみると、自分はなぜ、みちくさが、植物が好きなのか? 改めて問い直してみる、良い機会にはなりました。